子供を育てる若い世代の住まい その住宅設計の考え方 |
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家族の巣の中に密室の子供室はいらないのでは |
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住宅設計事務所建築家木村俊介の主張する | ||||
住宅とは人間の巣である | ||||
ということから考えれば 建築的には一棟の住宅が外部に対してどのように内部を守ってくれるか ということが大変重要な問題となってきます |
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この場合 内部を外部から守るということは 十分な防犯性能を持たせる という意味ももちろんありますが |
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夫婦の巣が その巣としての快適さ 落ち着いた心休まる生活ができること などの機能を十分満たすことのできるような住宅として 住宅を設計する |
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ということでもあります | ||||
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具体的には 外部からの騒音・視線などの遮断 暑さ寒さに対する十分な対策 快適な明るさを得ること など入念な住宅設計をおこなうことです | ||||
やがて 夫婦には子供ができます 赤ちゃんとの間にも家族としてのコミュニケーションが生まれます 静かな 明るい環境で 母親との交わりが行われるように 赤ちゃんのベッドが置かれる部屋の位置を考えたいところです |
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さらに 幼児が成長してくると 両親と離れて個室に生活をするようになります この頃になると 子供とのコミュニケーションのことを考え 精神的により豊かな家族生活ができるように 積極的な建築的な工夫を加えてゆくことが重要になります | ||||
まず 児童の子供室は 家族の巣の中で密室化しないように 建築的に考える必要があるのではないかと思います | ||||
まだ大人になっていない児童の子供室は 閉鎖的でなく 開放的で しかも子供の方からだけでなく 親の方からも子供に対して開放的であり 常に親とともに生活をしていくという存在であれば 親と子供のよいコミュニケーションが いやでも生じることになるはずです | ||||
これは 子供室には扉を作るな ということではありません | ||||
子供室は子供にとっては城のようなもので 子供の個の確立と創造性を生む貴重なスペースと考え その領域に関しては その持主である子供自身が自由と責任を持つのだ と教えるためには 扉はどうしても必要ではあります |
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しかしながら たとえ子供室に扉があっても 親は決して子供の領域は侵さないのだという信頼が子供側にあれば そして親の側にも その信頼を裏切らない という強い意志があれば 子供にとって 子供室はいつも開放的にしておいても子供自身何の不安もないし それが自然の姿になってゆくでしょう | ||||
また 扉には錠をつけない ということは 親と子のコミュニケーションを良好に保つ大きな要素となります | ||||
錠をつけないのは いつでも扉が開けられるので親にとってみれば子供が中で何をしているか監視がしやすい という目的からではありません 逆なのです |
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錠がなくても 扉がしまっていれば親は絶対にことわりなく自分の領域を侵さない という信頼を子供が持てば 錠などいらないのではないかと住宅設計事務所建築家木村俊介は考えます 逆に 信頼を持ってもらうために錠をつけないでおきたい とさえ思います | ||||
錠というのは物理的には 扉をその内側の人間の意思で開かなくするためのものなのですが 観念的にはもっと深い意味を持っていることに気がつきます 家族のきずなが深ければ 錠は家の内部には不要のようです そして親と子の間の豊かなコミュニケーションを保つためにも 錠がないということは貴重な役割を演じるはずです 一軒の住宅の中では 錠は外部に向かってだけあればよいのではないかとさえ思えるのです |
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親の生き方を子供に伝えたい |
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では具体的に 子供室の密室化をなくし 家族が共に生活をする という家庭をつくるためには どのような建築設計をしたらよいのでしょうか | ||||
親と子供が向かい合って さあ話をしましょう といってみても 特別な話などあるわけがありません 共に食事をしたり あるいは親が子供の勉強を見てやったり 一緒にプラモデルを作ったり 本を読んだりしながら 親と子供のコミュニケーションははかられるのです | ||||
よい例は アメリカの西部劇に出てくる 草原の中の一軒家の家族の生活です 親が身をもって実践しながら 子供に物事を教えていく生活です | ||||
住宅設計事務所建築家木村俊介は これと同じような 家族の書斎というか 勉強室というか そのようなスペースを提案し 多数の新築住宅 リフォーム住宅 リフォームリノベーションマンション の設計をおこなっています スペースのゆとりがなければ 大きな食卓でもよいと思います 昔の茶の間のようなスペースがあれば 家族全員がそこで食事をしたり 勉強をしたり あるいは子供が勉強をおそわったり 本を読んだり 趣味の作業を始めたり ピアノやギターがあれば共に楽器を弾いたり歌ったり という生活ができるというものです |
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一家のパソコンもここに置くことになるでしょう このようなライフスタイルを実際の行動に移すためには 父親をはじめとして 家族各人の努力が必要です しかし それは父親の あるいは母親の強い意思さえあれば実行可能の提案と考えます |
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マルチユースな家族のたまり場を設けたプラン
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居間に面して 開放的な大きな勉強室を設けています
そして大きな造り付けのテーブルがあり 家族共通の書籍を置く本棚も設けられています ピアノもあり 家族のたまり場となっています |
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一軒の家の中で子供室の位置をどのように計画するかということも 親と子の良好なコミュニケーションを保つための重要な項目となり得ます | ||||
子供室は玄関から直接入るのではなく 家族共通のスペースを通ってゆかなければならない というのが理想です 子供がいつ帰って来たかもわからないようでは 親と子のコミュニケーションを良好に保つチャンスは段々と少なくなってしまうでしょう |
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親と子が顔を会わせれば もっと云えば 会うように建築設計に工夫をしておけば お互いが自然に声を出すようになります 個室は 家族共通の場所があってはじめてその存在理由があるのだということを よく認識する必要があります | ||||
複数の子供がいる場合 子供どうしのコミュニケーションについては お互い同世代であることもあり 親が心配することはないようです | ||||
子供の個室については いろいろの考え方があるようですが 同性どうしの場合は 一つの部屋とした方がいろいろな意味でよいのではないか と私は思っています | ||||
家族のたまり場をつくった住宅設計の実例 |
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住宅設計事務所建築家木村俊介は 家族のたまり場をつくった住宅を数多く設計してきていますが 子供2人という ごく標準的な家族構成の家庭で 日常の家族コミュニケーションを保つために家庭生活に工夫をし その効果が表れている一つの実例から家族室であるリビングの具体的な使われ方を御覧下さい |
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A. リビング部分 B. 父親と子供の書斎スペース C. 母親の書斎スペース |
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この家庭は男の子2人兄弟ということもあり 子供室は1室で しかも狭い部屋です それに比べると居間は35平方メートルと広く しかも明るい部屋なので 非常に快適です |
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この居間にはアルコープ状にへこんだ場所が2ヶ所あり 1ヶ所は父親の書斎コーナーとなっています しかしここは 父親専用の場所というわけではなく 父親の趣味の本に混じって 家族で使う辞書や多数の書籍が置いてあり 広めの机には椅子が2脚あり家族の読書からアイロン掛まで幅広く使われています 父親と子供がここで時を同じくして一緒に本を読んだり 勉強をしたりする場合もあります |
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もう1ヶ所のへこんだ場所は 母親のスペースで 机と本棚があります | ||||
このリビングにはピアノやドラム そしてギターと楽器が並び 部屋のあちこちにはボクシングのグローブやダンベル エキスパンダーやぬんちゃくなどが置いてあるので いつもこの居間は家族で混んでいるのです 家族4人が共通して求めているもの 音楽 本 運動があり 家族4人がひとつの部屋で思い思いの過ごし方ができ そこからお互いのコミュニケーションも自然に生じてきます | ||||
このように 子供室を無理に開放的に作ることをしなくても 子供にとって そしてもちろん親にとっても 家の中心のよい 魅力のあるスペースをつくってしまうことによって 子供を生活の中心に引っぱり出してしまうということができるのです | ||||
ただし このような生活をするためには 親としても多少の努力をはらう必要はあります たとえば 子供の友人が来た時は この快適なリビングを子供たちにあけ渡して 自分たちは食堂へでも行くなど 生活の工夫をするのです もっとも たまには子供の友達の間に入って会話を楽しむこともあるので 子供の友人を含めたコミュニケーションも良好になるといえそうです | ||||
このように 入念に設計された環境作りは 夫婦と子供たちの標準的な家族の住宅の場合はもちろんのこと 親子2世代で構成される2世帯住宅そして3世帯住宅の場合にいたるまで 家族のコミュニケーションを良好に保つために非常に効果的であることがわかります | ||||
2世帯住宅設計の考え方 2世帯住宅設計における家族関係 2世帯住宅設計における建築プラン 2世帯住宅間の家族交流のために 二世帯住宅間取り集(平面プラン集) |
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住宅設計事務所木村俊介建築設計事務所 建築家木村俊介 のウェブサイトです 東京 目黒 自由が丘八雲 に 住宅設計事務所を 1967年 開設して 半世紀50余年 住宅設計350余棟の豊富な実績と豊かな経験を裏付けとして住まいをつくります |
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