マンションスケルトンリフォーム リノベーション事例 A宅の設計監理 その1

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マンションスケルトンリフォーム(リノベーション)には住まい方の考えを徹底させたい

 東京 S区のAさんは 14年間住んできたマンション住戸をリノベーションしたいと考えました

 その新しくなったマンション住戸のインテリア空間がどのように考えられてリフォーム リノベーションされたのか
 工事はどうおこなわれたのか
 費用はどのくらいかかったのか
 などについて具体的に詳しく分析してみます


 マンション住戸のインテリア空間は 住宅設計事務所建築家が勝手にどんどんつくっていく というわけにはいきません その中には住む人の生活があるのですから その生活の基本的な考え方 難しくいえば 住まい方の哲学を 住む人が あるいは住む人と住宅設計事務所建築家が一緒に分析し 検討し あるいは提案するところから マンション住戸のインテリア設計は出発することになるのです


 では このマンション住戸の場合の住まい方の哲学なるものはどんなものなのか と あらためて問われても特別高邁(こうまい)な思想があるわけではありません
 要は このマンション住戸の住まい方の基本的な方針は 家族中心の生活である といういたって単純なことなのですが
 ここでもっと重要になるのは この考え方を住まいの中に徹底させるということです

 具体的には 限られたマンション住戸のスペースを少しでも快適な生活の場所とするため 家族の日常の生活以外の余分な目的のスペースはつくらない
 たとえば 一年に一度有るか無いかの泊まり客のためを考えた和室スペースは思いきって無くしてしまい そのスペースはリビングにまわす
 日常の生活の場であるL・D・Kを一室として出来る限り広く快適なスペースとする
 そのために個室が寝るためだけのスペースとなることも已むを得ない
 これらの割り切った生活の姿に合せて住戸の隅々まで 無駄な空間が生じないように合理的な収納スペースを入念に計画する
 などということになります

バラ色の計画案ができる

 この住戸の新しい姿はおおよその次のようなものになってほしいと 住宅設計事務所建築家木村俊介は考えました


 長年住んでいるために汚れが目立つので内装を一新する 
 単に仕上げをやりなおすだけではなく 間仕切り位置 電気設備 冷暖房設備 そしてできれば給排水設備なども白紙にもどして 鉄筋コンクリート躯体のスケルトンにして そこから新しいインテリア空間を考えたい

 マンション住戸の一般的な姿である開口部の少なさによるのか あるいは室内の仕上がりの色調によるのか
 これまでのこの住戸のインテリア空間はうす暗いという印象であったのだが これを仕上げの工夫 間仕切り位置の工夫などによりもっと明るい空間のイメージとしたい

 平面を工夫することにより 同じ一室空間であっても キッチンをあまりでしゃばらない姿に
 食堂 リビングはそれぞれにふさわしいスペースを占めるような姿にしたい
 また限られた面積の空間を機能的に設計することにより これらのスペースを少しでも広く使用できるようにし また感覚的にも広くあるように考えたい

 キッチンは 調理設備を以前と比べてもっと充実したものとし また食器が多いので 機能的かつ十分な収納スペースを確保したい
 家事スペース そこに必要になる収納スペースも確保したい

 これまでの寝室は 狭く そして収納 特に衣類の整理が良くできていなかったので もっと合理的な衣類の収納 整理を考え 部屋の面積はより大きくはできないにしても 感覚的な広さを確保したい

 子供室のインテリア空間を 収納を含めて 機能的な使用が可能なものとしたい

 洗面所は脱衣場を兼ねるので 狭いスペースを機能的に設計し 空間的に無駄なく収納スペースをつくり 生活を便利にしたい
 ここには洗面台を設けて 来客時の化粧室としても使えるような体裁を整えたい

 玄関スペースには 壁面を有効に利用した収納スペースをつくり コート収納を含めて収納量を倍増させたい

 以上が Aさんの希望を 住宅設計事務所建築家木村俊介が分析し工事費用を含む具体的な計画を工事予算と合わせて提案した マンションスケルトンフォーム(リノベーション)の姿です

 また 仮住居費用が馬鹿にならないので この場所に住みながらこれらの工事を行う というのも条件になりました

 さて リフォーム リノベーション後のこの住まいの実際の姿はどのようになったのでしょうか

変身したLDK

 住みながら工事をするため 住まいを3つのゾーンに分け 工事を三期に分けて1ゾーンずつ施工をすることになるのですが
 第一期分としては 既存の 和室 リビング 食堂兼キッチンスペースをリノベーションすることとし 床から壁 天井まで既存の仕上げすべてを取り去ってスケルトンとして このスペースを大きな一つの空間の リビング 食堂 キッチンとする という設計です

 今までの住まいでは 洗面所に入る扉が直接このリビングスペースに面して設けられていて 大いに品格を損なっていたのですが
 この扉を廊下に面するように間取りを改めたことが L・D・Kを大きなワンルームとしたことと合せて 新しい住まいの大きな改良点となりました

 床をナラのフローリング 壁はプラスターボード貼りの上にビニール塗料塗 天井はコンクリートスラブ下に直接塗料吹付仕上げ と内装を一新した結果
 少々暗い感じであったリビングは 明るい白木の素地の美しさを生かした床 白い壁と白い天井に白い造り付け家具と まさにウッディで暖かく白くて明るい清楚な空間 というコマーシャルの画面に出て来るようなL・D・Kに変身しました

 リビングスペースと食堂スペースは その間に従来からある家具を置くことで雰囲気を分けているのですが この家具の高さが食卓の高さと同じであることを利用し かならずしも広いとはいえないリビングからは近々と見えることなる食卓と椅子の足元を リビングからの視線から遮ってもいるのです
 もちろん既製の置家具なので 仕上げをしていない裏面があり この部分は造り付け家具を組み合わせる形で処理しています

 食卓は造り付けとし 周辺のスペースを考え倹約した幅寸法の替りに 1.2メートルという深い奥行き寸法としています
 この食卓はサイドテーブルと一体となり 家事用のカウンタースペースを経てキッチンにまで延び 食卓のサイドスペース 家事 料理の盛付 調理などそれぞれの目的のために それぞれのスペースが必要であれば隣のスペースまで使えるようにと考えられています
 転用の工夫というわけです

 この食卓+ワークカウンターは トップを床と同じナラ材の積層材でつくり 白い空間 白い家具 の中にあって 床の木部と共に インテリアに木質の暖かな感覚を与えています

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